天泣記

2020-05-30 (Sat)

#1 湾曲ディスプレイ

ふと、湾曲ディスプレイと平面ディスプレイで みかけの大きさがどう対応しているか気になった

湾曲ディスプレイの曲率は 1000R とか 4000R とかで表されて、 1000R なら、半径1000mm の円 (の一部である弧) の曲線という意味である

検索したところ、現時点では、1000R というのがいちばん曲率が高いようだ また、画面サイズはだいたい 24, 27, 32, 34inch あたりが多くて, 縦横比は 16:9 と 21:9 が多いようだ。 とりあえず 16:9 とすると、 24inch なら長辺の長さは 24 * 16/hypot(16,9) [inch] = 20.9[inch] = 531[mm] 、 32inch なら長辺の長さは 32 * 16/hypot(16,9) [inch] = 27.9[inch] = 708[mm] などとなる

(湾曲ディスプレイのサイズは、湾曲している画面にそった長さとしよう。それが正しいかどうかはわからないけど)

ユーザとディスプレイの距離は通常 1000mm よりは近いと思う

その場合、湾曲ディスプレイ (の弧の長さ) と同じ横幅の平面ディスプレイで、 ユーザから見た画角を比較すると、湾曲ディスプレイのほうが大きくなるはずである。

ユーザが平面ディスプレイを正面から x[mm] 離れた点から見るとして、 ディスプレイの横幅が w[mm] であれば、 画角は、2 * atan((w/2)/x) [rad] = 360 * atan(w/(2x)) / pi [度] となる

ユーザが曲率 r[mm] の湾曲ディスプレイを正面から x[mm] 離れた点から見るとして、 ディスプレイの横幅 (弧の長さ) が w[mm] であるとする。 このとき、正面から r[mm] 離れたところからみると、 ディスプレイの画角は w / r [rad] であり、 弧の横幅は 2 * r * sin(w / (2*r)) [mm] であり、 弧の奥行は r - r * cos(w / (2*r)) [mm] となる。 ユーザはこの弧を x[mm] 離れたところから見るので、 画角は、2 * atan(r * sin(w / (2*r)) / (x - (r - r * cos(w / (2*r))))) [rad] = 360 * atan((r * sin(w / (2*r))) / (x - (r - r * cos(w / (2*r))))) / pi [度] となる

とりあえず、1500R (r=1500) で 32inch (w=708) としてプロットしてみると

curved-display.png

curved-display.gp:

r=1500.0
w=708.0
plot [0:1000] 360 * atan2(w,(2*x)) / pi, 360 * atan2((r * sin(w / (2*r))), (x - (r - r * cos(w / (2*r))))) / pi

ふむ、600mm くらい離れたところから見たときで、違いは 10度に満たない感じか

ユーザの距離を 300mm から 800mm でプロットしてみる

curved-display-300-800.png

curved-display-300-800.gp:

r=1500.0
w=708.0
plot [300:800] 360 * atan2(w,(2*x)) / pi, 360 * atan2((r * sin(w / (2*r))), (x - (r - r * cos(w / (2*r))))) / pi

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田中哲