DNS温泉番外編(2016年春)に行ってみた。
話を聞きながら、DNS cache server を formal に記述すればいろいろとわかることもあるんじゃないかなぁ、と思った。でも、full resolver は停止性がない気がする (NS の NS の NS の...) ので、Coq でそのままは書けないような気がする。いや、実装は適当な数で打ちきるような気がするな。
ふと、フィボナッチ数を求めるプログラムを4つ書いてみた。素朴な再帰版、ループ版、行列版、浮動小数点版の4つで、おおざっぱには最初の方が遅いはずである。行列版、浮動小数点版はフィボナッチ数の一般項を利用したものである。
require 'matrix' def fib_rec(n) return n if n <= 1 fib_rec(n-2) + fib_rec(n-1) end def fib_iter(n) return n if n <= 1 f0, f1 = 0, 1 (n-1).times { f0, f1 = f1, f0 + f1 } f1 end def fib_mat(n) return n if n <= 1 (Matrix[[1,1],[1,0]] ** (n-1))[0,0] end Root5 = Math.sqrt(5) C1 = (1 + Root5) / 2 C2 = (1 - Root5) / 2 def fib_flt(n) v = (C1**n - C2**n) / Root5 v.finite? ? v.round : nil end
とりあえず小さい値について結果を表示してみると、期待通りどれも一致する。
0.upto(10) {|n| p %i[fib_rec fib_iter fib_mat fib_flt].map {|m| self.send(m, n) } } #=> [0, 0, 0, 0] [1, 1, 1, 1] [1, 1, 1, 1] [2, 2, 2, 2] [3, 3, 3, 3] [5, 5, 5, 5] [8, 8, 8, 8] [13, 13, 13, 13] [21, 21, 21, 21] [34, 34, 34, 34] [55, 55, 55, 55]
fib_flt は Float を使っていて誤差があるので、そのうち失敗する(正しくない値を返す)わけだが、どこで失敗するか調べてみると、fib(71) で失敗するようだ。そのときの結果の値は49ビットであり、IEEE754倍精度なら(仮数部は53ビットあるので)まだ表現できるはずなので、うまく計算すればもうちょっといけるかもしれない。
0.upto(100) {|n| f1 = fib_iter(n) f2 = fib_flt(n) if f1 != f2 p [n, f1, f2, f1.bit_length] exit end } #=> [71, 308061521170129, 308061521170130, 49]
さらに大きくなると fib_flt は内部的に Infinity になってしまって、nil を返すはずである。調べてみると、fib(1475) でそうなるようだ。
0.upto(2000) {|n| f = fib_flt(n) if f.nil? p n exit end } #=> 1475
実行時間を測ってみよう。
require 'csv' puts 'alg,n,t[s]' %i[fib_rec fib_iter fib_mat fib_flt].each {|m| 0.upto(10000) {|n| t1 = Process.clock_gettime(Process::CLOCK_THREAD_CPUTIME_ID) v = self.send(m, n) t2 = Process.clock_gettime(Process::CLOCK_THREAD_CPUTIME_ID) break if !v t = t2-t1 puts [m,n,t].to_csv break if 1 < t } } #=> alg,n,t[s] fib_rec,0,4.8079999999950385e-06 fib_rec,1,1.582999999999446e-06 ...
グラフにしてみると以下のようになる。だいたいは予想通りで、fib_rec はすぐに激しく遅くなり、fib_iter はそこそこ、fib_mat は n が大きければ速い。fib_flt はとても速いが、71以上で誤差があるし、1475以上は概数さえ求められない。
fib_iter より fib_mat が速くなるのはかなり n が大きくなってからで、行列を扱うのはけっこうオーバーヘッドがあるようだ。
あと、なんか fib_iter と fib_mat が二股になっているが、よくわからない。真面目に調べていないが、とりあえず GC のせいかもしれないといっておこう。(可能性はあると思うが、確信はない)
fib.R:
library(ggplot2) d <- read.csv("2016-03/fib.csv") p <- ggplot(d, aes(n, t.s., shape=alg, color=alg)) + geom_point() + scale_x_log10() + scale_y_log10("t[s]") print(p)
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